2002/03/07
14 ヤグラはずれる
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| リビングにある大きなヤグラは家造りの進捗を示す象徴的なものだった。 というのはヤグラがある限り壁塗りが完成していないという意味だからだ。このヤグラを作ったのは内装工事を始めてからまもなく1ヶ月目に近所のHさんの助けを借りてばたばたと短時間で組み上げた。その組立て方は2x4材を使って柱を立て長方形の枠を造り、一番上と中段にそれぞれコンパネを貼って完成させた。すべて38ミリのビスを使った。 しかしメーカーの人のアドバイスはヤグラではなかった。 それは「リビングの南北の壁に向かって2メートル強の高さに何本か2x6材を縦に打ちつけてからその2x6材の上にコンパネをビス止めして足場とする」というものだった。しかし南北の壁の距離は長いところで4メートル50もある。 施工のスタート時にこの方法を聞いたがその後偶然、別の大工さんと話をすることがあって足場の作り方をきいてみたところ全然違う返事だった。それは壁にそんな長い板を打ち付けてしまったら作業が進むたびに足場を変えて行かねばならないためそのたびにビス止めされている2x6材をはずしてはまた付け直すというめんどうなことをしなければいけないというものだった。 なるほどと思った。付け直すといってもリビングルームの真ん中には長い長い床用のパイン材が山積みになっているためそれをまたいで作業しなければならず思うようにできないだろう。この床用のパイン材は量が多いため最後の最後までその圧迫感で苦しめられた。 さてこのヤグラであるが少々グラグラしており昇り降りのたびに揺れるので怖い。昇り降りは高さ2メートル10の脚立を台に立て掛けて行う。台には斜めに筋交いをいれてあるが何しろ大きいので揺れるのだ。やがてこれにも慣れてきた。
こうして作ったヤグラはまず高い部分の壁と天井部分の断熱材貼りに大いに役に立った。その次に息子の応援を得て一気に天井材貼りが完成した。この時、息子は薄い生地のコットンパンツをはいて作業をしていたが台の端に腰掛けてずるずると尻をコンパネにこすりながら移動したためコンパネの表面の細かいささくれが尻に刺さり痛い痛いとこぼしていた。私は移動するごとに台の上で立ち上がっていたのでそういうことはなかった。 天井貼りが完成してから壁塗りに入る。これはワイフのお兄さんの応援を得て二人で塗ったが広いので20キロ缶を15缶も使い塗っても塗っても終わらないという感じだった。 しかしそれもやっと終り壁の塗料が乾いたことを確認してからいよいよヤグラの解体だ。かねてより1日も早くこわして部屋を広くしたいと思っていた。ヤグラの一番上のコンパネからビスをはずす。電動ドライバーで逆回しにするだけなのでいとも簡単だ。次に2段目に置いてある工具類やマスキングテープなどをきれいに片付けてから枠も一気にばらしていく。最後の枠を壊したとき対面側に立っていたワイフの顔にもう少しでぶつかるところだった。疲れていて注意散漫になっていてひやっとしたがセーフだった。用心用心。 ヤグラのない天井を見上げるととても広く感じる、やっと部屋らしく見える! さて、まとめとして高いところの作業用の足場について考えてみたい。 まず手を伸ばしてもちょっと届かない高さは脚立よりも踏み台の方が乗り降りがはるかに便利だ。それより高い所はもちろん脚立だがいきなり2メートル10の脚立だと作業性がまるで悪い。従って3段ぐらいのうんと軽い脚立が必需品だ。もしこれを2台買えば2台を並べてそこに長い2x10材等の板を渡して馬として使える。私はこれをしなかったが後で考えるとその方がもっと楽に作業が出来たと思う。それと2メートル10または2メートル40の脚立が必要だ、これは2階建ての家の場合、階段取付までの間の階段としても使用できる。更に広い部屋の作業台としてヤグラが必要だ。私のように自分で作っても良いし、レンタルで鉄製のヤグラを借りることもできる。これは鉄製のパイプ枠に3段くらいの網が張ってありパイプの足元にはローラーが付いていて移動がやや楽だ。しかし重い。 こうしたことは大工さんとかメーカーの人に相談すればよいと思う。 ..............................................................................................................................................................................
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